約3万円のSIMフリースマホとして人気が爆発している「HUAWEI P9 lite」の実機レビュー。オクタコアCPUを搭載したスペックにより非常に動作は快適で、格安SIMと使える格安スマホの大本命です。今回は実際の使い勝手や性能、ベンチマークスコア、おすすめの設定項目などをまとめて紹介!
HUAWEI P9 liteの実機レビュー
3万円弱で購入できる注目のSIMフリースマートフォン「HUAWEI P9 lite」の実機をレビュー。まずは開封。「本体、純正の専用ケース、ACアダプター、USBケーブル、純正イヤホン」などが同梱されています。…ちなみに本体カラーはゴールドを購入しました。
開封

開封するとこんなものが入っている
P9 liteの本体にはあらかじめ保護フィルムが貼り付けされてあります。一応初期のディスプレイ保護用についているものなのですが、こちらはしっかり張り付いているのでそのまま利用可能。ケースなども同梱されているので、購入してから余計なものを買わずにサクッと使えるのはポイントが高いです。

最初から貼ってある保護フィルムもそのまま使える。最近はこういった機種が増えているように思う。
ケースはプラスチック系なのでそこまで強度に期待はできませんが、薄型のクリアカバーなのでデザインを損なうことはないです。市販で購入せずとも本体を傷から守ることは可能です。

専用の付属ケースをつけた感じ。デザインをそこなうことなく、薄型なので使いやすい。
付属のイヤホンはApple、iPhoneに付属するEar Podsに近いデザインに。カナル型ではなくインナーイヤー型のイヤホンとなっており、個人的にはこちらのほうが疲れないのでおすすめです。

P9 liteの付属イヤホンはAppleのEar Pods風。HUAWEI P8 liteに同梱されていたものと同じデザインで、長時間聴いていても疲れない。
次に本体。まずはフロントのデザインですが、5.2インチのフルHDディスプレイ、下にHUAWEIのロゴが設置されています。メーカー、機種ごとのデザインは個人で好みがわかれる部分ではありますが、P8 liteから継承された癖のない外観は好感が持てます。

すっきりとした外観が好感触
ヘアライン仕上げの背面パネルもシンプル。中央にはファーウェイのロゴがあり、上部には背面カメラやフラッシュがあります。…ちなみに本体カラーは「ゴールド、ホワイト、ブラック」の3色があるのですが、ブラックに関しては背面パネルが若干違うマットな質感の素材になっており、購入前に実機を試してみたところ指紋が付きやすい素材でした(それでもガラス系の背面パネルよりは指紋がつきにくいですが)。
ホワイトもありますが使用しているうちに汚れが目立ちそうだなということもあり、最終的にはゴールドを購入しました。カラーに関しても好みがあるかとは思いますが、指紋が付きにくい、程よい光の反射で高級感のあるゴールドを個人的にはおすすめします。

ヘアライン加工の上質な背面パネル。家電量販店ですべての機種を触ってみた結果、個人的にはゴールドをおすすめしたい。
サイド部分はメタルフレーム、サンドブラスト仕上げでダイアモンドカット。素材には航空機材グレードのアルミ合金を使用しているとのことで、高級感を醸し出しながらも強度と軽量化を両立している。厚みが約7.5mm、重量も147gと軽量になっているので、長時間利用していてもストレスを感じない良モデル。

側面は少し丸みを持ったデザインに。軽くて薄いので持ちやすい。
上部にはイヤホンジャックを配置。イヤホンも同梱しているので、購入後すぐに使えるのは格安スマホとして評価が高い。
指紋認証センサーも後で詳細をレビューしていきますが、認証速度が爆速です。

超爆速の新・指紋認証センサー。
底面にはデュアルスピーカーを設置。音響BOXを内蔵しているとのことで、Youtubeや音楽鑑賞も試してみたところ大音量でも癖のない音を楽しむことが可能です。通話面でも工夫がこらされており、デュアルマイクノイズキャンセルによってクリアな音声通話を実現。…約3万円弱という価格帯からも、スマホに詳しいヘビーユーザーから格安スマホが初めての初心者まで、しっかりと機能訴求している部分は非常にGood。

格安スマホはスピーカーがチープで残念な機種もあるが、HUAWEI P9 liteはそういった細かい部分もこだわりがあり、総合力が高い。
SIMピンが同梱されているので、SIMカードスロットもあけてみました。1つの場所に「nano SIM」それから「nano SIMとmicroSDカードの共用スロット」が搭載されており、SDカードを利用しない限りはデュアルSIMとなります。
…国内では1スロットのみの待ち受けになりましたが、このあたりは海外でデュアル待ち受けができるかどうかも今後調査してみたい部分です。

SIMスロットはnano + nanoのデュアルSIM仕様。国内ではデュアル待受ができないが、設定から切り替えて2枚の格安SIMを運用できるようになっている。
次はHUAWEI P9 liteのスペックをレビュー。Antutuベンチマークのスコアなどを計測しています。
HUAWEI P9 liteのスペックを実機レビュー
Android 6.0の最新OSにEmotion UI 4.1をカスタム。CPUはオクタコアのKirin 650。RAMが2GB、ROMが16GBという基本スぺックとなっています。
機種名 | Huawei P9 lite |
---|---|
メーカー | ファーウェイ |
OS | Android 6.0 Marshmallow |
ディスプレイ | 5.2インチ |
画面解像度 | フルHD(1920 x 1080) |
CPU | HiSilicon Kirin 650(オクタコア2.0GHz) |
RAM | 2GB |
ROM | 16GB |
外部ストレージ | ~microSDXC(最大128GB) |
カメラ | 背面:1300万画素 前面:800万画素 |
バッテリー | 3000mAh |
周波数帯・対応バンド | LTE:1/3/5/7/8/19/28/40 W-CDMA:1/5/6/8/19 4バンドGSM |
SIMカードスロット | Nano SIMスロット×2 |
WiFi | Wi-Fi 802.11 b/g/n |
Bluetooth | Bluetooth v4.2 |
本体サイズ | 146.8 x 72.6 x 7.5 mm |
重量 | 147g |
カラー | ブラック、ホワイト、ゴールド |
Antutuベンチマークスコア
Antutuアプリ(バージョン6.1.4)でのベンチマークスコアを計測したところ、総合得点は5万2882点でした。
- ベンチマークランキング
- Antutu ベンチマークスコア
ランキングはどの程度かというと、iPhone 5sやXiaomi Mi 4sの下で、Meizu M3 Note 3よりは上といったところ。価格対ベンチマークスコアでは3万円台のSIMフリースマホとなっており、コストパフォーマンスは2016年中盤の格安スマホとして最高峰の性能を備えていることになります。
CPU
チップセットには「Kirin 650」という自社系CPUを搭載しており、オクタコアCPUの最大クロック数が2.0GHzのミドルスペックなプロセッサーです (4コア × 2.0 GHz Cortex-A53 + 4コア × 1.7 GHz Cortex-A53)。
今回のベンチマークテストでは算数、マルチコア共に好記録がでたので、GPUと合わせてゲームも快適に使えるスペックとなっていることは確認できました。
OSはAndroid 6.0 Marshmallow+カスタムUI
OSバージョンは最新のAndroid 6.0 マシュマロ。新機能のNow on Tapなども利用できるようになっています。
またカスタムUIとしてEmotion UI(EMUI) 4.1を採用。ファーウェイ機種にはもれなくついてくるUIですが、標準利用以外にも「シンプル」モードがついているので、SIMフリースマートフォンが初心者の方でも問題なく使える仕様になっているのがうれしい部分。
- ホーム画面は2種類
- シンプルモード
HUAWEI P9 liteは、同社の設定しているプリインアプリ以外には余計なアプリケーションが入っていないので非常にシンプルで、余計なプリセットアプリによって本体のデータ容量が圧迫されていないのも好感触。
- 必要な機能は純正アプリでほぼ使えるようになっている
- 余計なアプリは入っていない
「端末管理」という機能を使えばシステムの最適化(メモリのクリーンアップやキャッシュ削除など)、電源プラン(必要に応じてパフォーマンスを重視した設定にしたり、省電力モードに切り替える機能)も一括してこちらから操作できます。…別途タスクキラーアプリなどもダウンロードする必要がないので便利。

節電モードへの切り替えやメモリ消去はまとめて「端末管理」アプリから操作できる
もなおホーム画面やロック画面の画像、アプリアイコンのカラーなどは、プリインアプリの「テーマ」から編集できるようになっています。

「テーマ」アプリからカスタマイズが可能
カメラ機能
背面カメラが1300万画素のF2.0・AF搭載、フロントカメラが800万画素のF値2.0となっています。高級デュアルレンズを搭載したライカ共同開発のP9ばかりに注目が集まりがちですが、P9 liteも十分きれいな写真撮影が可能です。
- ウェブサイト用に圧縮されているので、本来の写真はもっと綺麗です
- ガンダムのパーツもきっちり詳細をとらえるナイスなカメラ
通常の撮影でもそこそこ綺麗に写真がとれますが、こだわりたいなら今回プリインされているHUAWEIカメラアプリをぜひ試してほしいところ。この純正カメラアプリが秀逸で、特に「プロカメラモード」を利用すると、ISO感度など様々な設定をいじりつつきれいな写真撮影が可能。

プロカメラモードのUIが非常に使いやすい。少し工夫するだけで、スマホで写真をとるのが楽しくなる。
ちなみにこのプロモードは最大1080p(フルHD)画質でのビデオ撮影にも対応しており、環境に応じてガンガン使える仕様になっています。他にも多くの撮影モードがあり、切り替えも左サイドからスワイプするだけの簡単操作なので、ぜひ利用してほしいおすすめポイントです。

動画も多くのモードに対応している。画質は最大1080p
バッテリー・電池持ち
HUAWEI P9 liteはバッテリー性能も非常に高いのが◎。実際に数日使ってみたところYoutubeを少し観て、SNSをガンガン使い、空いた時間にゲームをしても、日中は朝から夕方までもって、かつ残り30%程度電池残量が余っていました。…AntutuにStressテストというものがありバッテリー性能もなんとなく計測できるのですが、こちらも好調です。
オクタコアで最大2.0GHzながら省電力設計のKirin 650はかなり好感が持てますね。…家電量販店でROM容量の少し多いFREETEL REIも検討したのですが、CPUがMediaTek製のMT6753(オクタコア1.3GHz)でした。結果的には、FREETEL REIを買わずにHUAWEI P9 liteを購入して非常に満足しています。
ディスプレイ
5.2インチのディスプレイはフルHD(1920×1080)と高解像度。このサイズではYoutubeなど動画視聴にも十分なスペックを備えています。明るさもかなり高いところまで設定できるので、外での視認性も特に問題はありません。

明るいディスプレイ。解像度も1920×1080のフルHDで、動画を観るにはもってこい。
ちなみに前モデルのP8 liteは約5インチだったのでディスプレイは少し大型化されていますが、画面占有率はP9 liteのほうが高いのでそこまでサイズ感が変わった感じがありません。…また色温度の調整もできるので、外部環境や自分の目に合わせて設定OK。ミドルレンジの格安スマホの中ではディスプレイ性能も高評価をつけてよいのではないでしょうか。

ディスプレイの色温度は設定から調節可能。
指紋認証センサー
3万円台の格安スマホながら背面には指紋認証センサーを搭載。画面ロックのみならず、アプリのロックやSafeボックスのアクセス制限も可能となっています。指は全部で5個まで登録可能なので、人差し指でロック解除したい人、もしくは両手の指紋登録も問題ありません。…逆さ方向からでも指認証をすることが確認できたので、どんな持ち方でも簡単に使えるセンサー。
- 指紋は5つまで登録可
- ジェスチャー操作も利用できる
ちなみにこちらの指紋認証センサー、指の登録もロック解除も「本当に認証してるの?」と思うくらいに爆速です…。ぜひこれは実機れ体感してほしい部分で、個人的にはiPhoneのタッチIDよりも高速で使いやすいような気がしています。
またロック解除以外にも「長押しジェスチャー」や「スライドジェスチャー」も利用できるようになっており、これらのジェスチャー機能は指紋認証を登録しなくても使えます。
一つ難点を挙げるとすれば、専用ケースをつけた場合に、爪の長い人だと若干認証しにくいところ。付属の純正カバーならそこまで気にならないですが、別売りの他社ケースを選ぶ場合には指もしっかりタッチできるか確認しておくのが無難でしょう。
実機レビューをしてみての総合評価
約3万円のSIMフリースマホとしては非常に完成度の高い機種となっており、P8 liteから大幅なスペックアップも確認出来ましたし、ヘビーな使い方をしても十分耐えうるモデルとなっていることが分かりました。

ゲームアプリもいくつか試してみたが、動作もスムーズでソリッドな機種。バッテリー容量も多いので「ヘビーユーザーにも耐えうるモデルがついに3万円台で発売したか」という印象。
購入前からスペックをみてこんな感じの機種に仕上がっているのは予想していましたが、爆速な指紋認証センサーや秀逸なプロカメラモードを搭載した純正カメラアプリなど、実際にレビューしてみないとわからない部分も多くありました。気になる方はぜひ購入して試してみましょう。