ONKYOが初のAndroid「スマートフォン」を発表。機種名は「GRANBEAT DP-CMX1 」で、以前から予告されていた通りDAPとして高性能なオーディオ視聴環境を備えているのが特徴です。SIMフリー端末となっており、すでに楽天モバイルでの取り扱いが決定。楽天モバイルの価格は8万4800円ですが、DAPメインと考えると安いような気も。オーディオファンならWi-Fiアライアンスの取得やCES2017年の時点から注目していた方も多いであろうGRANBEATの特徴をチェックしていきます。
ONKYO GRANBEATのスペック
オンキヨー&パイオニアイノベーションズがオンキヨーブランドから発表した「GRANBEAT DP-CMX1」は、オーディオ面での性能に特化したSIMフリーのAndroidスマートフォンです。基本スペック・DAPとしてのスペックは以下の通り。
機種名 | GRANBEAT |
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ブランド | オンキヨー |
OS | Android 6.0 Marshmallow |
ディスプレイ | 5.0 インチ IPS フルHD(1920*1080) Corning Gorilla Glass 3 |
プロセッサー | Qualcomm MSM8956 Snapdragon 650 ヘキサコアCPU |
RAM | 3GB RAM |
ROM | 128GB ROM |
拡張スロット | micro SD x 1 (SDHC, SDXC対応) 最大 256 GB (exFATフォーマット) |
SIMスロット | nano SIM x2 (micro SDとは独立したスロット x2) Dual SIM Dual Standbyに対応 *いずれかのSIMで通話中/データ通信中は、片方のSIMは同時に使えません。 SIM1: 4G LTE, 3G対応、SIM2: 3G, 2G対応 |
対応バンド | LTE Band B1/3/7/8/19/26 with Diversity HSDPA/WCDMA Quad-Band B1/5/6/8/19 GSM/GPRS/EDGE Quad-Band 850/900/1800/1900 MHz |
テザリング | Wi-Fi / Bluetooth / USB |
カメラ | メイン: 16メガピクセル (F 2.0) SONY社製 IMX298 Exmor RSセンサー搭載、フラッシュ機能付 サブ: 8メガピクセル (F 2.2) |
動画撮影機能 | メイン: 4K UHD (2160p) ライト機能付 サブ: Full-HD (1080p) |
Wi-Fi | 802.11 a/ b/ g/ n/ ac (Wi-Fi direct / WPS) |
Bluetooth | 4.1 Profile: A2DP/ AVRCP/ HSP/ OPP/ HID/ PAN Codec: SBC/ apt-X/ apt-X HD (Transmit only) |
スピーカー | フルレンジダイナミック型 x1 |
位置情報 | GPS, GLONASS, A-GPS |
センサー | 加速度センサー + ジャイロセンサー, 電子コンパス, 近接センサー, 照度センサー |
バッテリー | 3,000 mAh / 3.8 V (Qualcomm Quick Charge 3.0対応) |
通話時間 | 連続通話時間: 22 h *条件: シングルSIM, LCDオフ 動作時での目安 |
待受時間 | 待受可能時間: 480 h *条件: 4G/3G, シングルSIM, Wi-Fi/Bluetoothオフ, LCDオフ 動作時での目安 <4G/3G回線は安定した試験波で測定した目安時間です。 使用条件により実際の動作時間は変化します。> |
再生時間 | 再生時間: 25 h (96kHz/24bit, FLAC, Unbalanced 再生時、Simあり 待受時) |
サイズ | 142.3 x 72 x 11.9mm |
質量 | 234 g |
付属品 | Micro USBケーブル(1.0m /データ転送、充電時使用)、AC電源変換アダプター、カードスロットイジェクトピン、クイックスタートガイド 画面保護シート (*工場出荷時に装着) |
オーディオプレイヤー | |
DAC & HP Amp | ESSテクノロジー社 SABRE DAC “ES9018C2M” x2 & SABRE “9601K” x2 |
音楽再生可能ファイル | DSD/ DSF/ DSD-IFF/ MQA/ FLAC/ ALAC/ WAV/ AIFF/ Ogg-Vorbis/ MP3/ AAC |
FSとbit数 | 11.2MHz/ 5.6MHz/ 2.8MHz / 1bit 44.1k/ 48k/ 88.2k/ 96k/ 176.4k/ 192k/ 352.8k/ 384k 16bit/ 24bit (*32bit float/integerは24bitにダウンコンバートして再生) |
対応プレイリストデータ | M3U/ PLS/ WPL |
動画再生可能ファイル | H.263/ H.264 AVC/ H.265 HEVC/ MPEG-4 SP/ VP8/ VP9 |
画像再生可能ファイル | JPEG/ GIF/ PNG/ BMP/ WebP |
入出力端子 | 2.5 mm 4極 バランスヘッドホン出力 (BTL/ACG切替、Line outモード対応、ジャック挿抜検知ON/OFF可能) (※アサイン:端子先端より R-/R+ /L+ L-) 3.5 mm 4極 アンバランスヘッドホン出力 (マイク機能付イヤホン対応(CTIA規格準拠)、Line outモード対応、ジャック挿抜検知ON/OFF可能) Micro USB /OTG 出力 (*充電・データ転送入力端子兼用) |
実用最大出力 (JEITA) | 75 mW + 75 mW (Unbalanced) 150 mW + 150 mW (Balanced) |
全高調波歪率 | 0.01 % 以下 |
S/N比 | 115 dB以上 |
再生周波数帯域 | 20 Hz 〜 80 kHz |
インピーダンス | Unbalanced: 16 〜 300Ω / Balanced: 32 〜 600Ω |
Gain | High / Normal / Low1 / Low2 |
カスタマイズ設定 | プレシジョンEQ, アップサンプリング, リアルタイムDSD変換, ロックレンジアジャスト, デジタルフィルター, フィーチャードEQ |
ボリューム | 61ステップ (*0 位置含む) |
L/Rバランス調整 | Yes |
本体操作 | ロータリー式ボリュームノブ、再生、スキップ、戻り、HOLD *HOLDキーは全ての画面・キー操作、受話動作が無効になります。 |
FRANBEAT DP-CMX1のオーディオ面での特徴
やはり注目はオーディオ面。まずはDAPとしての注目ポイントからチェックして見ます。
オーディオ専用基板を採用
とにかく音質を重視ということで、スマートフォン用とは別にオーディオ専用の基板を搭載。ノイズ購入ガードを防止するための3ゾーン回路設計を採用しています。
ESS社製DAC「ES9018C2M」×2 + AMP「SABRE 9601K」×2
オーディオ専用基盤にはESSのDAC「ES9018C2M」2基と、AMP「SABRE 9601K」2基を搭載。「ツインDAC + ツインAMP」の構成はONKYOのDAP「DP-X1A」と同じです。他の性能を見ても「DP-1Xのスマホ版」といったところでしょうか。
フルバランス駆動回路 / バランス出力端子採用 / DSD
3.5mm 4極と2.5mm 4極出力端子を搭載。2.5mm 4極端子によるバランス出力をサポートしており、ハイレゾ音源の高音質を耳元まで高音質のまま届けることのできるハードウェア環境が整っています。
バランス駆動は安定したサウンドの「ACG駆動」か、パワフルな「BTL駆動」が楽曲や好みに合わせて選べるようになっているのもポイント。
e-onkyo musicから、手軽にハイレゾ音源をそのままダウンロード
ハイレゾ音源の購入が可能なe-onkyo musicから、PCを介さずそのままGRANBEAT DP-CMX1で曲を購入・ダウンロードまでが完結するようになっています。
音楽視聴に特化したハードウェアボタン
ボリュームノブ、再生/巻き戻し/先送りボタン、誤操作防止のホールドスイッチなど操作性もスマートフォンというよりはDAPのように設計されており、内部設計だけでなく外観やデザインも音楽試聴に特化しています。ちなみにmicroUSBポートは外部機器へのハイレゾ音源デジタル出力も可能です。
GRANBEAT DP-CMX1、スマートフォンとしての特徴
オーディオ面だけでなくスマートフォンとしての基本性能も見てみます。
25時間の連続音楽再生+Quick Charge 3.0対応のバッテリー
これは音楽試聴にもつながる部分ですが、5インチのスマートフォンとしては大きめの3,000mAhバッテリーを搭載しています。公称では音楽再生連続25時間(最大。96 kHz/24 bit FLAC, Unbalanced再生時、SIMあり待受時)、通話連続22時間(最大。3G時)が可能としており、DAP利用としての音楽試聴には十分。またQualcommのQuick Charge 3.0に対応しており、満充電まで約90分と急速充電が可能です。
5インチのフルHDディスプレイ
ディスプレイは5インチのフルHD。5インチというサイズを考えると解像度も十分と言えそうです。
Qualcomm Snapdragon 650 ヘキサコアCPU
プロセッサーはQualcomm Snapdragon 650、ヘキサコアCPUを搭載。SoCの性能としては、よほど重い3Dゲームをプレイしない限りは普段利用には全く問題ないスペックです。3GB RAMとメインメモリも容量は十分。
内臓ストレージが128GBと多い
内臓ストレージが128GBという部分も、スマートフォンとしてだけではなくDAPとして多くの曲を内臓ストレージで持ち運べる点を考えるとプラスポイント。特に音源によってはファイルサイズもかなり大きくなるので、標準ストレージの容量をしっかり確保しているのは良いですね。
デュアルSIMデュアルスタンバイ (DSDS) 対応
Nano SIMのデュアル仕様となっており、また両スロットがLTEに対応しています。またGRANBEAT DP-CMX1はLTE-3GのDSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)にも対応しており、SIMフリースマホとしても仕様上は優秀です。またハイブリット仕様ではなく、SIMカードスロットとmicroSDカードスロットは独立して搭載している点にも注目。SIM×2 + microSD×1を持ち運べるので便利ですね。
GRANBEAT DP-CMX1まとめ
「オンキヨーブランドの人気DAPをそのままAndroidスマートフォンにした」ような機種がGRANBEAT DP-CMX1。楽天モバイルでは一括価格が8万4800円とそこそこの価格になっていますが、オーディオ面でオンキヨー人気DAP同等のスペックを備えていることや、AndroidのSIMフリースマホとしてもそこそこの性能になっていることを考えると、ガジェット好き、オーディオ好きの方には意外にも安い買い物なのかなという気もしてきます。楽天モバイルでは2月下旬より発売が開始するので、気になる方は公式サイトをチェックしておきましょう。
公式サイト:楽天モバイル